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この記事の結論
- 趣味で飛ばすだけなら、国家資格(無人航空機操縦者技能証明)は義務ではありません。取得は任意で、資格なしでも飛ばせます。
- DID上空・夜間・目視外・30m未満の飛行をしたい場合も、資格なしで飛行許可・承認を申請すれば飛ばせます。
- 二等を取っても、機体認証のないNeo 2・Antigravity A1では許可・承認は不要になりません。資格が効くのは機体認証機(例: Mini 4 Pro)+立入管理措置のときです。
ドローンの「国家資格」は、正式には「無人航空機操縦者技能証明」といい、2022年12月5日に始まった制度です。国土交通省は「技能証明書の取得は、無人航空機の飛行において必須事項ではありません」と明記しています。この記事では、国土交通省の公式ページ(2026年10月21日確認)で確認できる内容だけをもとに、資格が必要な人・一等と二等の違い・取り方・費用を整理します。
無人航空機操縦者技能証明とは(一等・二等)
技能証明には一等と二等の2種類があります。一等は「カテゴリーIII」、つまり立入管理措置をしない第三者の上空を飛ぶ「レベル4」の飛行に対応する資格です。二等は「カテゴリーII」、立入管理措置を講じた範囲での特定飛行に対応します。
大事なのは、資格は「飛行許可・承認の一部を省略するための仕組み」であって、「飛ばすための免許」ではない点です。機体認証も同じく必須ではありません。資格がなくても、これまでどおり許可・承認を申請すれば特定飛行はできます。

自分にドローンの国家資格は必要か(判断フロー)
判断の起点は「特定飛行をするかどうか」です。特定飛行とは、空域4種(空港等周辺・緊急用務空域・地表や水面から150m以上・人口集中地区=DID上空)と、方法6種(夜間・目視外・人や物件から30m未満・催し場所上空・危険物輸送・物件投下)を指します。
特定飛行に当たらない飛行(カテゴリーI)は、許可・承認も資格も不要です。空いた場所で昼間に目視内で飛ばす使い方なら、ここに入ります。ただし100g以上の機体は航空法の「無人航空機」なので、資格の有無に関係なく機体登録は必要です。
特定飛行をする場合も、資格なしでDIPS 2.0で飛行許可・承認を申請すれば飛ばせます。資格が効くのは、次の3つがそろったときだけです。
- 技能証明(二等以上)を持っている
- 機体認証を受けた機体を使う
- 立入管理措置を講じ、飛行マニュアル等の措置をとる
この3つがそろうと、DID上空・夜間・目視外・30m未満(総重量25kg未満)の飛行は許可・承認なしでできます(カテゴリーII B)。夜間・目視外は技能証明の「限定変更」も必要です。一方、空港等周辺・150m以上・催し場所上空・危険物輸送・物件投下・25kg以上の飛行は、資格があっても個別の許可・承認が要ります(カテゴリーII A)。
一等と二等の違い
一等と二等の違いは「飛ばせる範囲」と「試験の重さ」の2点に集約されます。

一等だけがカテゴリーIII(第三者の上空・レベル4)に対応します。学科試験は一等が70問・75分、二等が50問・30分で、一等には登録免許税3,000円が別にかかります。交付手数料3,000円と有効期間3年は共通です。空撮や趣味の飛行で第三者の上空を飛ぶ場面はまずないので、個人なら二等が検討の対象になります。
二等を取ってもNeo 2・A1では申請が不要にならない
趣味ユーザーに最も重要なのが機体認証です。国土交通省の型式認証一覧(令和8年6月19日現在)で、一般向けのDJI機として型式認証を受けているのは「DJI Mini 4 Pro型」(第二種)だけです。DJI Neo 2やAntigravity A1は一覧に載っていません。つまり二等を取っても、これらの機体で特定飛行をするなら、これまでどおり許可・承認の申請が必要です。
「資格を取れば申請なしで飛ばせる」という期待で受験する前に、自分の機体が型式認証の一覧にあるかを確認してください。Neo 2とA1の違いはDJI Neo 2 vs Antigravity A1の比較にまとめています。
ドローンの国家資格の取り方(5ステップ)
申請はすべてDIPS 2.0で行い、試験は指定試験機関(一般財団法人 日本海事協会)で受けます。16歳未満は申請できません。

ステップ1: DIPS 2.0で技能証明申請者番号を取得する
機体登録や飛行許可申請と同じDIPS 2.0にログインし、技能証明申請者番号を取得します。以降の講習・試験・交付申請はすべてこの番号にひも付きます。
ステップ2: 登録講習機関の講習を受ける(任意)
国の登録を受けた講習機関(いわゆるドローンスクール)の講習は任意です。修了すると実地試験が免除されます。講習を受けずに、指定試験機関で実地試験を直接受けることもできます。
ステップ3: 学科試験を受ける
学科試験はCBT方式・三肢択一で、一等は70問・75分、二等は50問・30分です。合格は2年間有効です。指定試験機関の案内では、合格基準は一等90%程度・二等80%程度とされており、変動する場合があると明記されています。
ステップ4: 実地試験と身体検査を受ける
実地試験は学科試験の合格が前提です(講習修了者は免除)。指定試験機関の案内では減点式で、一等は80点以上・二等は70点以上が合格とされています。身体検査は書類または会場で受け、書類受検には自動車運転免許証が使えます(二輪・原付は不可)。
ステップ5: DIPS 2.0で交付申請をする
学科・実地・身体検査がそろったら、DIPS 2.0で技能証明書の交付を申請します。交付までの目安は、一等が登録免許税の納付後、二等が審査完了後からそれぞれ10開庁日程度です。有効期間は3年で、更新は満了日の6か月前から1か月前までに、登録更新講習機関の更新講習修了と身体適性の確認が必要です。

費用: 国に払う手数料と試験手数料
国土交通省に払う手数料は、技能証明書の交付が3,000円(一等・二等同額)、再交付・更新・限定変更が各2,850円です。一等はこれに登録免許税3,000円が加わります。
試験手数料は指定試験機関(日本海事協会)の案内によると、学科が一等9,900円・二等8,800円、実地(マルチローター・基本)が一等22,200円・二等20,400円、身体検査が書類5,200円・会場19,900円です。登録講習機関の講習費用は機関ごとに案内されているため、この記事では扱いません。
よくある誤解3つ
- 民間資格があれば申請不要…国土交通省のFAQでは、民間ライセンスの所有だけでは許可・承認が必要とされています。許可・承認を省略できるのは国家資格+機体認証+措置の組み合わせだけです。
- 資格を取れば機体登録はいらない…別の制度です。100g以上の機体は資格の有無に関係なく機体登録が必要です。
- 技適と同じもの…技適は電波法の制度で、機体の無線機に関するものです。技能証明は操縦者の制度で、どちらも相手を代替しません。
なお、資格の有無にかかわらず特定飛行をするときは飛行日誌の記載が必要です。
資格なしで始めるなら: 機体登録だけで飛ばせる入門機
まず趣味で飛ばしたいなら、特定飛行を避けて機体登録だけで始めるのが手順として最も短いです。DJI Neo 2は151gなので機体登録が必要ですが、カテゴリーIの範囲なら資格も許可も要りません。
まとめ
- 国家資格(技能証明)は義務ではありません。特定飛行をしないカテゴリーIなら、機体登録だけで飛ばせます。
- DID上空・夜間・目視外・30m未満をしたいときも、資格なしで許可・承認を申請すれば飛ばせます。
- 資格で申請を省略できるのは、機体認証機(例: DJI Mini 4 Pro)+立入管理措置の組み合わせだけ。Neo 2・A1では申請が必要なままです。
- 国に払う手数料は交付3,000円。一等はさらに登録免許税3,000円。有効期間は3年です。
たまに特定飛行をするなら許可・承認の申請で十分、機体認証機で反復して特定飛行をするなら二等を検討してください。
出典: 国土交通省「無人航空機操縦者技能証明」「無人航空機の型式認証一覧」「無人航空機レベル4飛行ポータルサイト」、指定試験機関(一般財団法人 日本海事協会)の受験案内(いずれも2026年10月21日確認)
カプ太のひとこと
カプ太
「資格がないと飛ばせない」って思い込んでる人、けっこう多いんだよね。趣味なら機体登録をして、空いた場所で昼間に目視内で飛ばすだけで大丈夫なんだ。二等を考えるのは、機体認証のある機体で何度も特定飛行をするようになってからでいいよ。


