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この記事の結論
- ドローンの夜間飛行は航空法の「特定飛行」です。100g以上の機体を日没後から日出前までに飛ばすには、原則として地方航空局長の承認が必要です。
- 承認の審査では、姿勢と方向が分かる灯火、夜間に経路を維持できる操縦者、補助者の配置と離着陸場所の照明が求められます。
- 技能証明(夜間飛行の限定変更)と機体認証がそろい、立入管理措置を講じれば、25kg未満の機体は承認が不要になります。ただし飛行計画の通報は必要です。
夕景や夜景をドローンで撮りたいと思ったら、最初に確認するのは航空法の「飛行の方法」です。夜間飛行は承認が要る特定飛行で、申請はDIPS 2.0で行います。この記事は国土交通省のページと審査要領(2026年10月26日確認)で確認できた範囲だけで、夜間の定義、機体と運用の要件、申請の流れ、承認が不要になる条件を整理します。
ドローンの夜間飛行は航空法の「特定飛行」: 原則として承認が必要
航空法は、重量100g以上(機体本体とバッテリーの合計)のドローンを「無人航空機」として扱います。国土交通省のページには「令和4年6月20日から、重量100g以上の機体が「無人航空機」の扱いに変わり、飛行許可承認申請手続きを含む、航空法の規制対象になりました」とあります。

国土交通省は、許可や承認が必要になる空域・方法での飛行を「特定飛行」と呼びます。飛行の方法で決まる特定飛行は、夜間飛行・目視外飛行・人や物件から30mの距離を確保できない飛行・催し場所上空の飛行・危険物の輸送・物件の投下の6つです。夜間飛行はその1つで、事前に地方航空局長の承認を受ける必要があります。
夜間の定義: 日没から日出までの時間帯
国土交通省の飛行許可・承認申請ポータルのよくある質問は、日中の飛行を「日出から日没までの間の時間帯です」と説明しています。つまり日没後から翌日の日出前までが夜間です。日没の数分後でも夜間に当たるので、夕景を撮るなら日没時刻を先に調べて、その前に着陸させる計画を立ててください。
承認を取らずに飛ばすと罰則の対象
国土交通省のページには「適切な許可・承認を取得せずに無人航空機を飛行させる等した場合は、拘禁刑又は罰金に科せられます」と明記されています。金額や年数は同ページに記載がないため、本記事では書きません。特定飛行の9類型と許可・承認の違いは、飛行許可申請のやり方で整理しています。

夜間飛行の要件: 国交省の審査要領が求める灯火・操縦者・体制
承認の審査基準は、国土交通省の「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーⅡ飛行)」(令和8年9月29日最終改正)の5-3「夜間飛行」に書かれています。機体・操縦者・体制の3つに分かれます。
機体の要件: 姿勢と方向が分かる灯火
審査要領は「機体について、無人航空機の姿勢及び方向が正確に視認できるよう灯火を有していること」を求めます。ただし「無人航空機の飛行範囲が照明等で十分照らされている場合は、この限りでない」とあります。自分の機体の灯火で前後や向きを区別できるかは、暗い場所で実際に確かめておいてください。
操縦者の要件: 夜間に意図した経路を維持できる
操縦者には「夜間、意図した飛行経路を維持しながら無人航空機を飛行させることができること」が求められます。能力が足りない場合は「第三者が立ち入らないよう措置された場所において、夜間飛行の訓練を実施すること」とされています。移動中の車両・列車・船舶の上空を通過する飛行では、昼間飛行の限定解除を受けた有効な技能証明が必要です。

体制の要件: 日中の下見・補助者・離着陸場所の照明
- 日中に、飛行させる経路とその周辺の障害物を事前に確認し、適切な飛行経路を特定する
- 飛行経路全体を見渡せる位置に、飛行状況と気象の変化を常に監視できる補助者を配置し、補助者は操縦者に必要な助言を行う(立入管理区画を設定する場合などは省略できる)
- 離着陸を予定している場所が、照明の設置等により明確になっている
補助者は原則として必要です。1人で夜景を撮りに行く計画なら、塀やフェンス、看板・コーンなどで関係者以外の立入りを制限する立入管理区画を設定するか、補助者を頼める人を探してください。
DIPS 2.0で夜間飛行の承認を申請する手順(4ステップ)
申請は国土交通省のオンラインサービス「ドローン情報基盤システム(DIPS 2.0)」で行います。国土交通省の飛行許可・承認手続ページに載っている流れは次の4ステップです。
ステップ1: 機体登録のログインIDでDIPS 2.0にログインする
機体登録のときに発行されたログインIDでDIPS 2.0にログインします。初めて使う場合はアカウントを作成します(法人は法人を選択)。機体登録がまだなら、機体登録のやり方を先に済ませてください。100g以上の機体は登録が前提です。

ステップ2: 申請書を作成して提出先を選ぶ
DIPS 2.0のマニュアルに沿って申請書を作成し、提出します。空港等周辺や150m以上の空域を飛ぶ場合は東京または関西の空港事務所長、それ以外は東京または大阪の地方航空局長が提出先です。ポータルのよくある質問には「飛行開始予定日の10開庁日前までに申請してください」とあります。同じ場所で反復・継続して飛ぶなら、1年を限度とする包括申請も可能です。
ステップ3: 承認書をDIPS 2.0で受け取る
承認されると、承認書はDIPS 2.0上で取得できます。紙の承認書が必要なときは、返信用封筒を提出先に送ります。
ステップ4: 飛行計画の通報と飛行日誌を忘れない
承認を受けた飛行では、飛行前に飛行計画を通報し、飛行日誌を作成します。事故が起きたときは航空局への報告と救護が義務です。飛行日誌の書き方は別記事にまとめています。飛行計画通報機能では、他の無人航空機の飛行計画や飛行禁止空域も確認できます。

判断フロー: 技能証明と機体認証があれば夜間飛行の承認は不要になる
国土交通省は、特定飛行を立入管理措置の有無で3つのカテゴリーに分けています。カテゴリーⅠは特定飛行に該当しない飛行、カテゴリーⅡは立入管理措置を講じたうえで行う特定飛行、カテゴリーⅢは立入管理措置を講じないで行う特定飛行です。趣味の夜間飛行は、第三者を飛行経路の下に入れない措置を取ればカテゴリーⅡです。
国土交通省の「無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法」ページには、夜間飛行などで最大離陸重量が25kg未満の場合、「立入管理措置を講じた上で、無人航空機操縦士の技能証明を受けた者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合」に、飛行マニュアルの作成等の措置を講じることで「許可・承認を不要とすることができます」とあります。
ただし条件が2つあります。1つめは技能証明の限定変更です。「夜間での飛行及び目視外での飛行をカテゴリーⅡ(飛行許可・承認申請が不要な飛行)として実施する場合は、技能証明の限定変更が必要となります」と国土交通省は説明しています。2つめは、承認が不要になっても「飛行前の飛行計画通報は必要です」という点です。技能証明の取り方は国家資格ガイドを参照してください。
まとめると、技能証明(夜間の限定変更済み)+機体認証+立入管理措置がそろえば承認なし、どれか1つでも欠ければDIPS 2.0で承認申請、です。

100g未満のドローンは航空法の夜間飛行ルールの対象外。ただし別の法令・条例がある
100g未満(機体本体とバッテリーの合計)のドローンは航空法の「無人航空機」に当たらないため、夜間飛行の承認制度は適用されません。ただし国土交通省は、100g未満の機体でも空港等周辺や高高度での飛行は「航空機の飛行に影響を及ぼすおそれのある行為」として「従前のとおり航空法第134条の3の規制を受け、飛行の許可等が必要となる可能性があります」としています。
同ページは「航空法の他に、関係法令及び地方公共団体が定める条例等の規制もあります」として、小型無人機等飛行禁止法(警察庁)、無線設備のルール(総務省)、飛行を制限する条例等を挙げています。公園や河川敷は条例で飛行が制限されることがあるため、重さにかかわらず飛ばせる場所の確認は必要です。
よくある失敗3つ
- 日没直後なら日中だと思っている…国土交通省の定義では日中は日出から日没までです。日没後は夜間なので、夕景の撮影は日没前に着陸させます。
- 灯火を付ければ承認なしで飛ばせると思っている…灯火は審査要領の要件の1つで、承認そのものが不要になるわけではありません。
- 承認を取ったあとの手続きを忘れる…飛行計画の通報と飛行日誌は承認後も必要です。申請書には保険の加入状況を書く欄もあるので、ドローン保険も申請前に確認してください。
入門機でも夜間に飛ばすなら承認が要る
手のひらサイズのDJI Neo 2は151gなので、100g以上の無人航空機として機体登録が必要で、夜間に飛ばすなら承認の対象です。Neo 2の夜間飛行への適性は公式に記載がないため書きません。
まとめ
- 夜間(日没後から日出前まで)の飛行は特定飛行です。100g以上の機体は、原則として地方航空局長の承認が必要です。
- 審査要領の要件は、姿勢と方向が分かる灯火、夜間に経路を維持できる操縦者、日中の下見・補助者・離着陸場所の照明の3つです。
- 申請はDIPS 2.0で、飛行開始予定日の10開庁日前までに提出します。承認後も飛行計画の通報と飛行日誌が必要です。
- 技能証明(夜間の限定変更)+機体認証+立入管理措置がそろえば、25kg未満の機体は承認不要です。100g未満は航空法の対象外ですが、第134条の3や条例の制限は残ります。
夜景を撮りたいなら、10開庁日前までにDIPS 2.0で承認を申請し、灯火・補助者・離着陸場所の照明を用意してください。技能証明と機体認証があるなら承認は不要で、飛行計画の通報だけで飛ばせます。
出典: 国土交通省「無人航空機の飛行許可・承認手続」「飛行ルール(航空法第11章)の対象となる機体」「無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法」「無人航空機 飛行許可・承認申請ポータルサイト」「無人航空機操縦者技能証明(レベル4飛行ポータル)」、「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーⅡ飛行)」(令和8年9月29日最終改正)、技能証明制度の案内チラシ(いずれも2026年10月26日確認)
カプ太のひとこと
カプ太
日が沈んだら、そこからはもう夜間なんだ。承認を取るなら飛ぶ日の10開庁日前までにDIPS 2.0で申請してね。灯火と補助者、離着陸場所の照明がそろって初めて、夜景を安心して撮れるんだよ。


