ドローンを買ったものの、「結局どこで飛ばせばいいの?」と手が止まっていませんか。日本ではドローンの飛行場所が法律で細かく決められていて、知らずに飛ばすと罰則の対象になることもあります。
この記事では、初心者の方が最初につまずきやすい「飛ばせる場所・飛ばせない場所」を、図解つきで整理していきます。読み終わるころには、目の前の場所で飛ばしていいかどうかを自分で判断できるようになります。
結論:飛ばせる場所は「4つの条件」を全部クリアした場所だけ
先に結論からお伝えします。ドローンを合法的に飛ばせる場所は、次の4つをすべて満たした場所です。
- 航空法の飛行禁止空域に入っていない(空港周辺・DID・高度150m以上など)
- 小型無人機等飛行禁止法の対象施設周辺ではない(国の重要施設など)
- 土地の管理者から許可を得ている(公園・河川敷・私有地など)
- 自治体の条例で禁止されていない(公園条例など)
ポイントは、「航空法さえクリアすればOK」ではないということ。よくある失敗が「DIDじゃないから大丈夫」と思って公園で飛ばし、公園条例違反で管理者に注意される、というパターンです。法律・条例・管理者の3層すべてを確認する必要があります。
逆に言えば、この4つをクリアできる場所を1つ見つけておけば、そこが自分の「ホームスポット」になります。まずは禁止エリアから見ていきましょう。
ここは飛ばせない!主な飛行禁止エリア6つ
まずは「絶対に避けるべき場所」を頭に入れておきましょう。以下の6つは、原則として無許可では飛行できません。

1. 空港などの周辺
空港や飛行場の周辺には「進入表面」などの制限空域が設定されており、ここでの飛行は原則禁止です。空港の規模によって制限範囲は異なりますが、数キロ〜数十キロに及ぶこともあります。地方の小さな空港やヘリポートも対象になるため、「近くに空港なんてないはず」と思い込まずに地図で確認しましょう。
2. 高度150m以上の空域
地表または水面から150m以上の高さを飛ばすには許可が必要です。この150mは「地面からの高さ」なので、山の上から谷に向かって飛ばすと、いつの間にか対地高度が150mを超えていた……ということが起こりえます。山岳地帯での撮影では特に注意してください。
3. 人口集中地区(DID)の上空
初心者が最もつまずきやすいのがこれです。DID(人口集中地区)とは国勢調査に基づいて設定された、人口密度が高いエリアのこと。市街地のほとんどはDIDに該当します。「自宅の庭だから大丈夫」と思っても、その庭がDID内にあれば無許可では飛ばせません。
自分の飛ばしたい場所がDIDかどうかは、国土地理院の地図サービスや、ドローン飛行支援アプリで確認できます。飛行前に必ずチェックする習慣をつけましょう。
4. イベント会場の上空
お祭り、花火大会、スポーツ大会など、多数の人が集まる催し物の上空は飛行禁止です。「人の頭上を飛ばさない」は事故防止の基本でもあります。花火大会をドローンで撮りたくなる気持ちはわかりますが、無許可では飛ばせません。
5. 国の重要施設の周辺
こちらは航空法ではなく「小型無人機等飛行禁止法」という別の法律の管轄です。国会議事堂、総理大臣官邸、原子力事業所、自衛隊・米軍施設などの周辺が対象になります。この法律には100g未満の機体も対象に含まれる点が航空法と大きく異なります。
6. 緊急用務空域
災害発生時など、消防や救助のヘリコプターが活動する空域には「緊急用務空域」が指定されることがあります。これはその場で突然指定されるため、事前に地図で調べられません。国土交通省がSNS等で発信するため、災害の直後などは必ず最新情報を確認してから飛ばしてください。
これらの空域を無許可で飛行した場合、罰金などの罰則の対象になります。「知らなかった」は通用しないので、飛行前の確認を徹底しましょう。
飛ばせる場所の探し方【30秒チェックフロー】
禁止エリアがわかったところで、次は「この場所で飛ばしていいか?」を判断する手順を見ていきましょう。以下のフローに沿って上から順に確認していけば、その場所で飛ばせるかどうかが30秒でわかります。

Q1. 機体は100g以上ですか?
まずは手持ちの機体の重さを確認します。バッテリーを含めた総重量で100g以上なら、航空法の規制対象です。100g以上の機体は機体登録も必須になります。
機体登録がまだの方は、ドローンの機体登録のやり方|DIPSでの手順・費用・リモートIDまで解説で申請手順を詳しく紹介しているので、あわせてご確認ください。登録せずに屋外で飛ばすと違法になります。
Q2. その場所はDID(人口集中地区)ですか?
国土地理院の地図やドローン用アプリで、飛行予定地がDIDに入っていないかを確認します。DID内で飛ばしたい場合は、DIPS 2.0からオンラインで許可申請を行う必要があります。申請には数週間かかることもあるため、余裕をもって準備しましょう。
Q3. 土地の管理者はOKと言っていますか?
ここが見落とされがちなポイントです。航空法をクリアしていても、土地の所有者・管理者が禁止していれば飛ばせません。公園なら管理事務所、河川敷なら河川管理者、私有地なら地主さんに確認が必要です。
「誰も見ていないから」と無断で飛ばすと、トラブルの原因になります。ひと声かけておけば快く許可してくれるケースも多いので、面倒がらずに確認しましょう。
Q4. 自治体の条例で禁止されていませんか?
多くの自治体が、公園条例などでドローンの使用を制限しています。「◯◯市 ドローン 公園」で検索するか、自治体の公式サイトで確認するのが確実です。都市部の公園はほぼ禁止されていると考えておいたほうがいいでしょう。
ここまで4つすべてクリアできたら、ようやく飛行OKです。
現実的な候補地はどこ?
実際に初心者が飛ばしやすいのは、次のような場所です。
- ドローン専用の飛行場・練習場:許可の心配が不要で、最も安心。有料のところが多いですが、初飛行にはおすすめです
- 郊外の河川敷:DID外であることが多く、開けていて練習に向いています(管理者への確認は必要)
- ドローン飛行を許可している自治体の施設:一部の自治体は飛行可能エリアを公開しています
- 知人の私有地:地主の許可さえ取れれば、DID外なら飛ばせます
100g未満の機体なら自由に飛ばせる?
「規制が面倒だから100g未満のトイドローンにしよう」と考える方も多いはず。実際、100g未満の機体は航空法の規制対象外で、機体登録も不要、DIDでの飛行許可も不要です。
ただし、「何でもあり」ではない点に注意してください。100g未満でも次のルールは適用されます。
- 小型無人機等飛行禁止法は適用される:国の重要施設周辺は100g未満でもNGです
- 自治体の条例は適用される:公園条例などは重量に関係なく適用されます
- 土地管理者の許可は必要:これは法律以前の問題です
- 民法上の責任は発生する:人にケガをさせたり、物を壊せば当然責任を問われます
- プライバシー・肖像権への配慮:他人の敷地や人物を無断で撮影すればトラブルになります
つまり100g未満の機体は「航空法の手続きが省ける」だけで、飛ばす場所を選ばなくていいわけではありません。とはいえ手続きのハードルが下がるのは事実なので、操縦の練習用として1台持っておくのは有効です。まずはトイドローンで感覚をつかんでから、本格的な機体に移行するという流れはおすすめできます。
まとめ:飛ばす前の確認を習慣にしよう
最後に、この記事のポイントを整理します。
- 飛ばせる場所は「航空法・禁止法・管理者・条例」の4つすべてをクリアした場所だけ
- 主な禁止エリアは空港周辺・高度150m以上・DID・イベント上空・重要施設周辺・緊急用務空域の6つ
- 判断は「重量→DID→管理者→条例」の順にチェックすれば30秒で完了
- 100g未満でも禁止法・条例・管理者の許可は必要
- 100g以上の機体は機体登録が必須
最初は「確認することが多くて面倒だな」と感じるかもしれません。でも一度ホームスポットを見つけてしまえば、あとはそこに通うだけ。慣れれば飛行前チェックは1分もかかりません。
ルールを守って飛ばすことは、自分を守ることでもあり、ドローンという趣味の未来を守ることでもあります。安全に、楽しく空撮を楽しみましょう。
あわせて読みたい関連記事
飛ばす場所のルールがわかったら、次は「何で撮るか」です。当サイトの機材選びガイドもあわせてどうぞ。
- ドローンの機体登録のやり方|DIPSでの手順・費用・リモートIDまで解説:100g以上の機体を買ったらまず必要な手続き
- Antigravity A1レビュー|世界初の8K・360度ドローンは”買い”か?:撮ってから構図を決められる新世代ドローン
- Antigravity A1 vs DJI Avata 360|360度ドローンはどっちを買うべき?:2大360度ドローンを徹底比較
- Antigravity A1はどのキットを買うべき?標準・エクスプローラー・インフィニティの違い:買う前の最後の悩みを解決
- 【2026年最新】360度カメラおすすめ5選|X5・Osmo 360・Max 2を徹底比較:手持ちの360度カメラも気になる人へ
※本記事は執筆時点の法令・制度に基づいています。ルールは変更される場合があるため、飛行前に必ず国土交通省の最新情報をご確認ください。


コメント